顎関節症


顎関節症とは?
関節円板が前方にズレることによって、口を開こうとすると顎関節や顎を動かす筋肉に痛みを感じることがあります。また、十分に口を大きく開けられない、または口の開け閉めで顎関節に音がするなどの症状が現れることもあります。
顎関節症の根本原因は?
顎関節症の原因として、現在世界的に認められている考え方は「多因子病因説」です。この説によると、関節や筋肉に負担がかかる要因はさまざまであり、その要因がタイミングよく重なり、負担が大きくなることで耐久力を超えて症状が出てしまうと考えられています。
要因としては、顎関節や顎の筋肉である咬筋や側頭筋の構造的な弱さに起因する解剖的要因や、打撲や転倒などの外傷要因、はぎしりやうつ伏せで寝るなどの睡眠要因、さらに精神的緊張や不安な気持ちの持続による筋肉の緊張が続くことで痛みが生じることもあります。日常生活のさまざまな場面で、顎関節を傷つけることに繋がる精神的要因も含まれ、顎関節症の原因とされています。
こんなお悩みはありませんか?
①顎関節炎
発病初期における急性症状として、炎症による痛みが現れるケースがあります。炎症ではありますが、赤みや腫れが見られることはなく、機能低下が起こりやすいです。そのため、患部の動きが悪くなったり、痛みにより口の開け閉めが難しくなる場合があります。
②顎関節痛(咀嚼筋痛)
あごの痛みが生じることがあります。咬筋や側頭筋に痛みが出ます。
③開口障害
口が開かない状態を指します。無理に口を開けすぎたり、歯ぎしりや食いしばりでも生じることがあります。
④顎関節雑音
あごを動かしたときに「カクカク」「ポキポキ」といった音がすることがあります。
⑤頭痛
②の関節痛から、こめかみの痛みで頭痛と訴えることもあります。
顎関節症に対する当院の考え
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、「口を開けると痛む(開口時痛)」「口が開かない(開口障害)」「顎で音がする(関節雑音)」といった症状が出る顎の疾患です。これらの症状は、顎の関節を構成する骨・筋肉(咬筋:こうきん・側頭筋など)・関節円板・靭帯などの異常によって生じます。
タイプ別にⅠ型(筋肉の異常)、Ⅱ型(関節靭帯の異常)、Ⅲ型(関節円板の異常)、Ⅳ型(骨の異常)、Ⅴ型(どれにも当てはまらないもの)があり、タイプによって治療法が異なります。そのため、一度ご来院いただき、問診でお話を伺いながら検査を行い、適した治療を行う必要があります。
顎関節症はなぜ起こるのか?
①歯列接触癖(TCH)
歯の接触が常にある状態で、歯ぎしりや食いしばりなどの悪習慣が歯・歯周組織・顎関節にダメージを与えることがあります。
②歯ぎしり・食いしばり
無意識のうちに強い力をかけることで、歯・歯周組織・顎関節にダメージを与えることがあります。
③偏咀嚼
片側の咀嚼筋が緊張する一方、反対側が緩みがちになり、顎のバランスが崩れることがあります。
④横向き寝・頰づえなどの悪習慣
同じ側を下にして横向きに寝たり、頰づえをついたりすることで顎のバランスが崩れることがあります。
⑤ストレス
神経質でストレスの多い環境にあると、顎関節を動かしている咀嚼筋がダメージを受けやすくなることがあります。
顎関節症を放っておくとどうなるのか?
症状が発症したけれども、しばらく放置していたら消えたという方もいらっしゃいます。これは、何かの原因で一時的に顎関節に負荷がかかり、急性的に起こった炎症が治まったことが考えられます。急性症状の顎の痛みは、炎症が引けば痛みが軽減することが期待できます。しかし、徐々に悪化した顎の歪みが自然に元の状態に戻ることは考えにくいです。
放置しておくと、関節円板という顎の滑らかな動きを出すためのクッションの役割を果たす部分が割れたり、つぶれたりすることがあります。これにより、顎が前方に動き、脱臼しやすくなることが考えられます。その結果、アゴが外れて口が閉まらないという事態が起こることがあります。
顎関節症に効果的な当院の施術メニューは?
当院のメニューの中で顎関節症に効果が期待できる施術はドライヘッド矯正です。ドライヘッド矯正には「咬筋リリース」と「顎関節矯正」という手技があります。
咬筋リリースは、頭蓋骨の周りに多くの筋肉が付着しているため、口を開け閉じする咀嚼筋(側頭筋、咬筋、内外側翼突筋、舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋)を緩める手技です。特に硬結部位には重点的に行う必要があります。
顎関節矯正では、顎関節症によって顎の位置が前後左右で変異しているため、手刀で下顎を動かし、ズレてしまっている部位に矯正を加えます。こうすることで、咀嚼筋と下顎骨を引き剥がすことができます。
その施術を受けるとどう楽になるの?
ドライヘッド矯正を受けることによって、咀嚼筋(側頭筋、咬筋、内外側翼突筋、舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋)を緩めることができるため、緊張している筋肉がほぐれ、現状の痛みの軽減が期待できます。顎関節矯正を行うことで、ズレてしまっている顎の位置を調整し、骨格の根本的な部分の軽減が期待できます。
また、ドライヘッド矯正は側頭筋などの顎関節症によって痛みが出る頭部の筋肉も緩めるため、顎関節症によって引き起こされる頭痛の軽減が期待できる場合があります。
顎関節症を軽減するために必要な施術頻度は?
頻度としては、1週間に1回程度が望ましいです。理由としては、ドライヘッド矯正はもちろん、マッサージや骨格矯正も同時に受けていただき、姿勢を改善しながら痛みが出ないようにすることが大切です。また、顎関節症の軽減が期待できる形で通院していただくことが望ましいです。
1回の施術の効果は、だいたい2、3日程度で元の状態に戻るため、週に1回通院していただき、体のさまざまな症状の軽減できるようにすることが重要です。